秋の自転車旅2010 二日目、桧枝岐ー銀山平

夜が明けて窓を開けると雨は上がっていた。山間部は雲の動きが早い。観天望気で天候は回復する、とはガイドの予報。皆が準備している間に、昨日見られなかった桧枝岐歌舞伎の舞台を見に行ってみた。重要文化財に指定されている舞台は意外と小さい。それを見下ろすように半円形の見物席が山の斜面を利用して階段状に4段ほど作られている。背後には大きな杉の木立。凛とした雰囲気が感じられる.

今日の目的地は75Km先の銀山平。宿からはすぐに登りが始まり11Km、600mを上がると御池になる。ここは1525m。この高さになると紅葉が始まっていた。この一帯は北上山地とくらべられる「ぶな」の林になっている。しずかな国道をゆっくりとお喋りしながら紅葉の中を登った。何回となく立ち止まっては写真撮影。まだ緑が残っているがそれも色のひとつ。こうした数々の色をした紅葉は日本でしか見られないかもしれない。北米でも紅葉はするが色の数はもっと少ないような気がする。「ぶな平」を過ぎると御池。ここは尾瀬への登り口のひとつ。多くは南側の大清水から入るがここも立派な登山者用の施設がある。

御池からその奥の沼山峠までは一般車は侵入禁止。登山者はバスで峠まで入る。自転車は通行可能なので我々は沼山峠まで片道9Kmを往復した。1700m。さすがに紅葉が進んでいる。思わず歓声をあげながら何回も立ち止まって見物、写真撮影。

    

沼山峠から再び御池に入り進み始めたころから再び雨。しまってあった雨具を再びつけて352をどんどんと下った。雨で路面が滑りやすいので慎重に走った。下りの途中にある「山の中」というレストランで昼食。まさに山の中に突如あらわれた感じのレストラン。40cmくらいある大きな天然マイタケが5000円で売られていた。そこでまいたけ汁定食を賞味。(写真右)

昼食後も相変わらず雨は降る。でも弱くそれほど苦にならない。雨の中を走る機会は少ないがアウトドアの活動をする限りは当然あり得る。素直に受け入れていける。雨具がしっかりとしているので外からはあまり濡れない。それよりも内部からの汗で濡れてしまうことのほうが多いので着衣の調整でなんとかなる。

昼食のレストランから今夜の宿泊地、銀山平までは約40km。しばらく下ると奥只見湖が見えてきた。ここまで下ると木々はまだ緑。その代り雄大な湖と山容が楽しめる。

この辺から再びアップダウンが激しくなった。湖の入り江に沿って道がうねっている。沢筋に入ると下り、そして登り返す。私は4、5人の先頭集団に入ってかなりハイになって走った。香港からきている若者が必至の思いでトップを追う。私は先頭集団の中では最後尾。これが精一杯。このころは雨脚が強くなった。波のように時々強い雨が降り注ぐ。沢筋から流れる水が道路を横切る。そこは川のようになっている。高速で水しぶきをあげながら走り去る。強い雨の波が来るごとに皆嬌声をあげる。なんともテンションが高い。100m位の登り返しが3つ。そのピーク毎に後続者を待つ。そのピークには名前があるらしい。その一つが「恋の岐乗越」。どんな由来があるのやら。

 

    

ようやくの思いで銀山平のログハウス群に到着。周辺には何も施設がないがここにも温泉がある。着いた頃は雨が上がって夕食のころには星も見られた。
  
本日の走行75Km.でもそれ以上に濃い一日だった。

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