春の自転車旅2010 その4 水戸ー八街

自転車で走る最終日。いつものように朝食のバイキングでたらふく食べた。そういえばツーリング中はずいぶんとたくさん食べた。ハンガーノックにはなりたくないのでしっかりと三食を採り、行動中も常に口に入れていた。

今日も快晴。

水戸市内から50号を一気に南下した。この道は交通量を心配していたが実にのどかな道だった。市街地でも交通量は少なく次第に農村の中の農道の雰囲気になってきた。50号をまっすぐに進んで霞ヶ浦へ。霞ヶ関ふれあいランドなどと言う観光スポットからは霞ヶ浦に沿った道を南下。釣り人が多い。単調で眠くなるほど。ただひたすらペダルを漕いだ。最終日となると早く終わりにしたい気持ちと終わってしまう寂しさが混在する。ペダルを漕ぐ力も微妙に強かったり弱かったらりする。

霞ヶ浦を離れてから佐原の町に。残念ながらこの町も市内は活気がない。大きな店も閉じたまま。有名な運河とその両側だけは観光客であふれていた。確かにここだけは昔の面影が多く残っている。

後は多古町経由でひたすら八街を目指して走った。強い向かい風。今回は天候には非常に恵まれた。初日に日光に入る前に雨に降られたがそれ以外はほぼ快晴。ところが風向きだけは逆風だった。北の郡山に向かう二日間は北風で向かい風。その後、南に向かう時は南風で向かい風。何ということだ。特にこの日は向かい風が強かった。あせらず着実にひたすら漕いだ。そして午後2時に無事に八街に到着。サイコンは560Kmを示していた。

この日は空き家になっている両親の家で家族と合流。家の掃除、庭の草退治をしてから隣町にある温泉センターに出かけた。お疲れ様。長いツーリングが終わった。

なんとも楽しい四日間だった。コースも良かった。天候も良かった。同行者ももちろん良かった。とにかく無事に帰れたことが一番。自転車に乗り続けることは危険が一杯。危険を予知してリスクを最小限にする努力はけしておろそかにできない。そしてこんなロングライドができる健康に感謝で一杯。

春の自転車旅2010 その3 郡山ー水戸

今日は水戸まで水郡線沿線を走る。基本的に水郡線を絡みながら走る118号を行く予定だった。

事前の予想としては、このルートは海に向かっているので下り傾向、ひなびた道路で交通量は少ない、したがってコンビにも少ないので行動食は事前に多めに調達しておくこと、であった。ところがこれが外れた。次から次にある登り。房総半島のルートと同じだ。あれよりもスケールが大きいかもしれない。そして118号は立派な幹線道路だった。交通量もそれなりに多く大型車も走る。それでもそれ以上に美しい景色を堪能したコースだった。久慈川沿線はすばらしかった。わたらせ渓谷と同じように紅葉のシーズンはさらにすばらしい筈。

この日もGPSで118号と平行して走る小さな道を探してはそこを走ってみた。するとそこは老夫婦が昼休みに田のあぜ道でのんびりと二人仲良く並んでお茶を飲んでいる光景に出会える。里道、こんな道が好きだ。心が洗われる。この辺も田の代かきが終わり田植えの準備が万端だ。同時に散り残った桜の花びらが地味な田んぼの中でピンクを主張している。山あいのこの辺は昨日走った大田原、那須近辺と比べて大きな水田は造れない。小さな田んぼが何枚も重なっていた。

財政危機とそれへの数々の対策で有名になった矢祭町の近辺からは久慈川をはさんで対向する山々が実にすばらしかった。あの景色をもっと観光資源として利用すれば町の財政も豊かになりそうだけど。。。。

水郡線の写真は幸運にもベストプレースで撮れた。鉄橋を渡るときに偶然出くわしたので急いでカメラを取り出した。ラッキー。

水郡線沿線には古木が多い。そのうちの一つ、大子町にある近津神社の鉾スギに立ち寄った。近津神社は静まり返った杉の巨木の中にある。樹齢1300年。天然記念物のこの鉾スギは意外と若々しかった。古木に直接触れて「気」を感じたかったが残念ながら塀に囲まれていて触れなかった。残念。http://www.geocities.jp/ir5o_kjmt2/kigi/sugihok0.htm

その後は袋田の滝を見物。流石に人が多かった。それだけのことはある。実の豪快。水量も豊富。凍った姿を見たいものだ。

118の交通量に辟易としてきた頃にエスケープとして165を走ってみた。ところがまたここが激しいアップダウンのルートだった。118とほぼ平行しているが118から久慈川まだ一気に下ってからさらに登り返す。道は静かでいいコースだが長距離を走ってきた後でのこのアップダウンにはちょっとまいった。で、結局また118に戻ってきた。

いくつものアップダウンを経てからいよいよ水戸市内へ。最後は那珂川に沿ったサイクリングロードを数Km走って市内に入って水戸駅には薄暗くなった6時過ぎに到着。145Km.

ここで同行の二人は輪行で帰京。二日間、ありがとうございました。

私は駅前のホテルに投宿。昨日と同じように自転車を枕に寝た。

春の自転車旅2010 その2 日光ー郡山

改めて快晴の中、旅館を出発。足に疲れを感じながら日光北街道を矢板駅を目指した。これから始まる田植えを控えて水田が綺麗に作られ水が張られていた。静かな水田地帯を走る。鬼怒川を越えるときには雪の日光連山が綺麗だった。

矢板駅には待ち合わせの20分位前に到着。マイミクさんが二人、今朝東京を発ってこの駅で待ち合わせの予定。予定とおりに到着。自転車を組み立てていよいよ郡山に向けて出発。

この辺は広大な水田地帯。461、72、342、294と旧陸羽街道を走った。大田原市から那須町近辺。先頭を走るマイミクさんが途中で止まった。小さな「岩殿観音」の看板。とりあえず途中下車して道の奥に入ってみた。すると、山の上に大きな岩壁がありその割れ方、形が遠くからみると観音様に見える。岩壁の足元にはお堂が造られている。周囲は桜、竹、などの大きな木々が自然美を作り出している。桜がすこしだけ残っていた。確かに下から見上げるとなんとなく観音様に見える。その岩壁の前は黄色の菜の花の畑。なんとも落ち着いた静かな日本の風景に出会えた。すばらしい景観だった。

福島県と栃木県との県境までは那須町の農村の中。看板規制をしているようで見苦しい看板が皆無。おかげでのどかな日本の農村の風景がそのまま残っていた。感激し、歓声をあげながら走った。

県境の峠を下ると福島県の白河市。ここからは大きな4号を走ることになる。交通量が多い。大型車も走る。しばらくは側道を走った。車道からは隔離されているので安心だが路面は悪いし近くを大型車が爆音をとどろかせて走っている。あまり気持ちがよくない。GPSで4号に平行して走る道を探した。ところどころに旧道が残っておりそこを走るようにした。旧陸羽街道に入ると急に静かになる。大田川宿、踏瀬宿、矢吹宿、須賀川宿などなどの町並みの中を走った。ところどころに大きな立派な日本家屋がある。かつては宿であったことが偲ばれる。

旧街道をそのまま郡山市まで。郡山市内はさすがに都会だ。今夜はここのホテルに投宿。狭い室内に自転車を入れてベット脇に置いた。自転車にこんなに近くで寝ることはあまりない。ベットに横になってまじまじと自分の自転車を眺めてしまう。綺麗だ。惚れ惚れしてしまう。この自転車のおかげでこんな遠くまで来ることができたわけだ。こうしたツーリングをできる環境、健康に感謝した次第。幸せをかみしめた。120Km。

今夜は三人になったので外に食事に出かけた。私は9時半頃には戻ったが同行者はさらに外遊びをしていたらしい。若いね。