在宅勤務のこと

通称エクスパット。海外の親会社から赴任している外国人のことを言うらしい。そのエクスパットだった元上司。彼は在任中に業務上でいろりろと新しいことをしてきた。そして、新しい制度と言うかルールも作った。そして3年前に本社に戻った。

赴任するや否や火曜日を「タイ・デー」にした。この日は男性はネクタイを絞めて出社するように、との指示。忘れてきた人のためにわざわざ予備のネクタイを用意していた。しかし、残念ながらこの制度は根付かなかった。私も火曜日には何回かネクタイを締めて出社したがだんだんと絞めないで出社することが増えてきた。今は誰もネクタイを締めていない。

そして、在宅勤務制度も始めた。当時は会社としての正式の制度はなかったのでこの部門だけの「非公式」のルールとして始めた。週に1,2日を在宅勤務の日にしてよいということになった。これは一部の人たちには定着し、私も大いにこの「非公式」な制度を活用してきた。在宅勤務制度は米国の親会社では定着しているようで多くの社員が利用している。結婚して田舎に移った方がそのまま在宅勤務をしているケースもある。

私の場合、仕事の相手はほとんどが海外にいる。そのために打ち合わせは電話とPCの画面共有ツールを使う。この場合、どこから会議に参加しても問題ない。しかも早朝、深夜の電話会議が多い。必然的に在宅勤務で自宅から電話会議に参加することが多くなった。現在の上司(本社にいる方)になってからも週に一度程度は自宅で仕事をする旨を説明し了解を得ていた。

自宅で仕事をする日は大抵7時にはPCをオンラインにしてメールをチェックし会社の人と連絡が取れるような態勢にしてきた。自宅で自由に仕事ができるということは自分を律する規律が必要だ。在宅勤務をしながら仕事をしていないと思われたくなかった。そこで、いつでもインスタントメッセージに応えられるように職場にいるときよりもPCの前にいる時間は長かった。結果的には終日自分の部屋でPCに向かい続けてきた。昼時も自宅で簡単に食事をしてすぐさまPCの前に座ってきた。実に真面目に仕事に励んできた。昼間は家人がいることはほとんど無く静か。職場のように周囲の会話に気を散らすこともないので実に集中できる。自宅で仕事をした日の夕方はスポーツクラブに行くことができた。平日は帰宅後に出かける気持ちにはなれないが在宅勤務をした日はゆとりを持って出かけた。こうすることで充実した一日にすることができた。はやりの「Work Life Balance」がとれる日だ。

ところが……..

この「非公式」の在宅勤務制度を使った在宅勤務ができなくなった。最近になって会社が「公式」の在宅勤務制度を作った。その対象は、3歳以下の子供を養育している社員。しかも「養育しながら仕事をすることはできない」との但し書きがある。よく意味が分からない。こうした社員が何人いるかよく分からないがこれが「公式」な制度。この制度の対象になっていない私は在宅勤務をつづけることは就業規則に違反することになる。社員にとって喜ばれる規則かどうかはよく分からないが一応規則なのでそれは尊重する必要があるのでしょう。

この規則は一か月前ほどに発表された。改めてその遵守を言い渡されたのは昨日。ところが今日は早速この規則を守ることの困難さに直面した。

今日は7:00から海外との電話会議。断続的に12:30まで予定されていた。そして4:00からもう一つ電話会議。昨日も8:00からの電話会議があったので昨日はいつもよりも早めの6:00ころに自宅を出て職場から参加した。さすがに7:00までに職場に到着するためには始発のバスでも間に合わない。そこで12:30まで自宅から電話会議に参加してその後で職場に出かけるつもりでいた。3:00までには着く予定だった。

しかし、3:00頃に職場に到着しても仕事をできるのは数時間のみ。しかも電話会議。何のために職場にでかける必要があるか大いに疑問を感じた。在宅勤務をしたかったがそれは「就業規則違反」になる。さすがにこれは避けたい。と言うことで「休暇」を取った。もちろん、予定通りに7:00からしっかりと電話会議には参加した。

そもそも職場に出勤するということは社員が一緒になって製造するとか情報を処理するとかと言うことをするのに都合がいいから一つの場所に集まってきたはず。かつてはコミュニケーションの手段がお互いに会うことだったので一か所に集まってきた。ところが最近は多様なコミュニケーションの手段がある。かならずしも一か所に集まる必要が無くなった。

同じ会社で働いていても多様な職種がある。多様な働き方がある。在宅勤務をすると業務に支障が生じる職種と逆に効率が上がる職種がある。こうした多様性を生かす制度が「いい制度」と言えるでしょう。はやりのDiversityですな。Diversityと言うと多様な人種を雇用することだけと思われているがこうした多様な「働き方」を尊重することも重要なDiversityだ。

こうした観点からいうと今回のきわめて狭い範囲を対象にした「公式」な在宅勤務制度は「いい制度」とは言えない気がする。

今日のような日は今後も続くと思われる。そのたびに休暇を取ると有休休暇がすぐに消えてしまう。なんとかこうした状況を救済する方法は無いものか。

どうした対応を取るべきなのか思案している次第。人事部門と相談してみるか。

2 Comments

  • By Aya, 2011年2月27日 @ 11:08 PM

    峠RUN後の食堂で、この事が話題になりましたよ〜
    人事のHさんもいたのですが、彼は「部門長の裁量で決めてはいいのでは?人事としてはそれでOKなはず」とのことでしたよ!交渉してみてはいかがでしょうか?

  • By 管理者, 2011年2月28日 @ 10:45 AM

    この件は先日人事と相談しました。私は管理監督者と言うことで自宅で働くことには問題ないということを聞きました。当然のことのように言われましたので私が無知だったようです。

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