北陸の伝統工芸

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今回の旅の途中に数々の伝統工芸品を制作している技工士、作家と会うことができた。それぞれが各地の伝統的な工芸品を制作し販売し生計を立てている。ところが一部の作家を除いて恵まれた環境とは言えないようだ。

井波では木彫技工士が日本間の欄間に複雑で精巧な彫りをいれていた。半年かかると言っていた。輪島では輪島塗の職人がその何十と言う工程を長い時間を掛けて一つの作品を作り上げていた。能美では九谷焼の陶器製品を作っていた。

それぞれの制作にかかる時間は想像以上ではないだろうか。素人目には膨大な時間がかかると思える。しかも技術があったうえでのことだ。そのために輪島塗の場合お椀でも数万円の値札がついている。少し複雑な製品は10万円以上。しかしこれらを作るために必要な技術と時間からみてこの値段でも低すぎるような気がする。

こうした職人の中には有名になり十分な価格が付いても売れるような方もおおい。しかしその他の大勢の製品はその使用価値を低く評価されている。大量生産された製品と同じ機能を持った製品をこうした手間暇をかけた工芸品と比較するとその機能だけを評価すると価格差が大きすぎる。伝統工芸の良さを理解してその対価を払う消費者を増やす必要がある。一部の有名な作家にはらう分をすこし減らしてその他の作家の作品をもう少し高く購入できる姿が望ましい。

いろいろな工芸品を見て、作家と話をしてそんなことを考えた。
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