世界で最も遅いランナーと私

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今朝の日経新聞にこの方の記事が乗っていた。日経新聞には時々こうしたランニング特集の記事が大きく掲載される。これもこの一環と思える。

西一(にしはじめ)さん。この方はこれまでに650回以上ものマラソン大会に参加して毎回最終ランナーとして完走している。スタートしてから最後尾を走り補給所でボランティアと交流し、沿道で声援を送る人たちと会話し、途中で写真を撮り、制限時間いっぱいまでランニングを楽しむ。そのあいだは自己をおもいっきり開放し思索をする時間にしている。最近はエコも取り入れてこうした考え方を実践するマラソン大会を自ら主催している。そこではもちろん完走するがその時間を競うことはない。補給所では紙コップを使わずに各人が持ち込む水筒で水分補給をする。途中ではゴミ拾いをする。

こうした考え方には大いに共感できる。

私はフル(ハーフ)マラソンへの参加は最小限にしている。フルは年間で二回だけ。この時だけは完走時間の短縮を目標に努力する。それ以外のトレイルラン、ウルトラマラソンは制限時間だけを意識して快適に走ることを第一にしている。時間のプレッシャをあまり感じないで走れるのがトレイル、ウルトラだ。

私にとってランニング(走ること)は旅の移動手段の一つだ。あの角の向こうに何があるか、橋を渡った向こう岸にはどんな家並みがあるか、こんなことを考えながら旅先で走るのが好きだ。トレイルランも同じ。田舎の里山を走り抜けることは気持ちが落ち着ける。そこには完走時間の思いは無い。

完走目的にマラソン大会に参加することを拒否しているランナーも多い。これは何を目的に走っているか、と言うことの相違でしょう。記録を求めて走るランナーはアスリートだ。ランニンをすることで精神を開放し自分の体力を試し新しい考え方に出会う。自然とのふれあいを求めて山の中を走る。こうしたランナーは解放者、思索者、自然愛好家。

今朝の新聞に紹介されている西氏はこの後者の考え方が突出した方と言えるでしょう。

実際には後者の考え方をしたランナーのほうが多いと思う。この時に、大した記録がでないから、と言う理由で後者の考え方をしているランナーも多いことでしょう。

この点で西氏は徹底している。彼の自己ベストはフルマラソンを3:45で走っている。これだけの走力があるランナーが最後尾を走るというのはそうとうの忍耐力、精神力が必要になるはず。

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