「昭和史」」半藤一利

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最近は活字を読むのは新聞、雑誌、そしてネットの記事ばかり。いずれも短い文章を斜め読みするだけでじっくりと読む機会が少ない。そこで、久しぶりで単行本を読んでみた。昨年亡くなった半藤一利の「昭和史」。最近は読んでも読み終わるとすぐに内容を忘れてしまうのでメモを取りながら読むようにしている。今回もしっかりとメモした。

昭和については自分が生まれた時代にもかかわらず歴史の授業ではスキップされてきて情報が少なかった。

特に今回は自分自身が生まれてから大人になるまでの幼少期、少年時代の様子がわかってよかった。読むうちにどんどん引き込まれて自分が生きてきた時代を改めて見直すことができて満足した。

同時に大正5年に生まれた自分の父親の人生をなぞってみた。父は教員をしていた20代前半から青春ど真ん中の10年間を戦場で過ごした。昭和の初めはまさに戦争の歴史。その歴史がどのように動いたのかをようやく把握できてそこに巻き込まれて翻弄された父親の人生を偲んだ。それと、この時期の昭和天皇の苦悩も少しは想像できた。

そして私が生まれた昭和24年。戦後の経済復興を進める中で国鉄の人員整理にからんで列車転覆事件などで騒々しい時代だったようだ。明るい話題では湯川秀樹がノーベル賞を受賞。中国では毛沢東の共産党が躍進。蒋介石が敗走した年だったようだ。

その後、講和条約によって国際社会に戻った日本はアメリカと安保条約を締結。3歳の頃は吉田茂内閣のもとで経済重視の政策がとられ経済復興の道を突き進んだ。小学校に入る頃には鳩山内閣がソ連と国交回復し神武景気に踊った。小学3年だった昭和33年には現在の上皇様が正田美智子様とご成婚。子供同士でも話題に上がって日本中がテレビでその様子を見たことを思い出した。

その後も高度成長経済がつづき中学3年生の時にはオリンピックも成功した。この辺になると世の中の出来事が実体験として覚えている。

そして現在に至っているわけだが昭和が終わって33年。これからどんな歴史を刻むことになるのやら。

この本のなかで成長の波の40年周期説が語られていた。

明治が始まったのが1868年。それから富国強兵で国力を増して40年後の1905年にはロシアに勝利。ところがここから40年経過した1945年には敗戦ですべてを失った。その後は高度成長したが40年後の1995年前後にはバブルが崩壊して再び経済は落ち込んだ。こうした歴史をみると波が40年周期で来ている結果となった。こうすると次の2035年まではどのような傾向をたどることになるのか。バブル後の失われた30年と言われているがそのまま2035年まで続くのか。2035年には良い波がくることを願うのみだ。

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