DXの教科書

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わかりやすい。講習の資料を作りつつある中でちょうどいい教科書になっている。作者は中小企業に対してIT導入のコンサルティングをしている会社の社長。ちょうど同じような仕事をしているので内容は理解できる。

DXはDegital Transformationを言う。2018年に経済産業省が発表したDXレポートのなかでDXを
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
と定義している。

このレポートでは最近の日本企業は以下のような課題に直面していると指摘している。

  • 21年以上のレガシーシステムに固執している企業が6割以上
  • 古い事業、業務の仕組みに固執して変革していない
  • COBOLなどの古い技術で作られたシステムで保守が困難(ブラックボックス化)
  • 長年の小さな変更、カスタマイズの積み重ねで複雑化
  • 維持費の高騰(IT予算の8割が運用、保守費用)
  • 社内IT人材の不足、退職(外部ベンダーへの過度の依存)

こうした課題を解決しないと2025年からの5年で国際競争力を失い、12兆円以上の経済損失を被ると警告している。この2025年を「2025年の崖」と呼んている。多少センセーショナルだが日本企業が事業変革、システム刷新が進んでいないことへの警鐘を鳴らしている。

同時にこうした「2025年の崖」を起こさないための提言をしている。

提言の内容は私からみると十分に納得できる内容になっている。私が関係した中小企業を見る限り、ITを使って事業変革は一部の大企業では行われているが中小企業を含む大多数の企業では旧態依然とした体制で古いシステムを利用している。他の諸国がITを活用して経済を活性化しているのは明らかで過去20-30年間で日本の経済力、企業力は十分にのびていないと感じる。このDXレポートに述べられている内容の一部でも実現して経済力を回復してほしい。

この本の内容は講習でも伝えるつもり。

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