高浜とターナー島

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漱石の「坊ちゃん」で赤シャツが野だに「全くターナーですね。どうもあの曲り具合ったらありませんね。ターナーそっくりですよ」と言った島がある。本来は四十島と言うらしいが「坊っちゃん」の影響で今では「ターナー島」になっているらしい。

ついでにその部分を載せておく。

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「あの松を見たまえ、幹が真直で、上が傘のように開いてターナーの画にありそうだね」と赤シャツが野だに云うと、野だは「全くターナーですね。どうもあの曲り具合ったらありませんね。ターナーそっくりですよ」と心得顔である。ターナーとは何の事だか知らないが、聞かないでも困らない事だから黙っていた。舟は島を右に見てぐるりと廻った。波は全くない。これで海だとは受け取りにくいほど平だ。赤シャツのお陰ではなはだ愉快だ。出来る事なら、あの島の上へ上がってみたいと思ったから、あの岩のある所へは舟はつけられないんですかと聞いてみた。つけられん事もないですが、釣をするには、あまり岸じゃいけないですと赤シャツが異議を申し立てた。おれは黙ってた。すると野だがどうです教頭、これからあの島をターナー島と名づけようじゃありませんかと余計な発議をした。赤シャツはそいつは面白い、吾々はこれからそう云おうと賛成した。

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松山市駅から伊予鉄道に乗って20分。木造の高浜駅に降り立った。
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この日は小雨が降るあいにくの天気。駅から5分ほど歩くとそれらしい島が目に入った。島は意外と近くにあり海の霞に溶け込む松の小島がしっかりと見えて存在感を感じた。この島のことは三津浜に行ったとSNSに投稿したら知人が教えてくれた。これがきっかけで行ってみた訳だが漱石が見た風景を共有したような気がして少し嬉しかった。
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この高浜にはフェリーの発着場がある。フェリーは広島、呉を始め近くにある島々への足だ。島で暮らす人達にとっては重要な交通手段でバスのように使っているのでしょう。島々はすぐ近くに見える。小さな島で住人はどんな生活をしているのか非常に興味がある。松山でのアドバイザ業務は6月末までの予定なのでそれまでは一度行ってみたい。

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