糸魚川経由で小谷村

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相変わらずのどんよりした曇り空。朝方に道の駅でアルゼンチンのパタゴニアから来たという青年と会った。自転車でキャンプしながらの旅らしい。雨の中を走っている。なんともタフな旅人だ。私のような旅は大名旅行のようだと少しだけ罪悪感を感じる。

市振の関

道の駅市振の関を出発。まずは「市振の関」。ここは江戸時代には関所があり北陸道を行く旅人の宿場でもあった。芭蕉も「奥の細道」のなかで投宿している。桔梗館では偶然遊女と泊まり合わせたことが書いてある。「一家に遊女もねたり萩と月」と詠んでいる。今はひっそりとした地味な集落だ。

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親不知

そして国道8号を日本海に沿っていくと親不知。「天険」と呼ばれていた難所。明治初期までは断崖絶壁のましたにある波打ち際を通行したらしい。しばしば波にさらわれて遭難者がでたとか。そこに明治になって鉄道をとおした。その際に作ったレンガ造りのトンネルが残っておりそこを歩いてみた。現在の国道から断崖を80mほど降りたところに当時の鉄道跡がある。所々に明かりがあるが長さ640mのトンネルは雨と風が吹くどんよりとした日に一人で入るのは勇気がいった。こんな日はだれもいない。それでも入り口に懐中電灯が用意してあったのでそれを頼りにして通過した。遠くに見える出口の明かりを目指してときどき走った。当時は手掘りで穴を空けそこをレンガ積みで補強しさらに下に広げていく工法だったらしい。明治の底力だ。

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トンネルを出て一安心もつかの間。今度は崖の上まで急な階段をのぼる。そして明治に作られた道路に出る。今は「親不知コミュニティロード」として残っている。ここから見る景色はなんとも恐ろしいほどの断崖と海だ。よくぞ手作業でここに道路を通したものだ。

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明治に作られた旧道はまだ部分的に残っているが昭和になって国道8号が完成し、平成になって北陸自動車道が一部海の上に掛かっている。これも高い土木技術だ。進歩を感じる。

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「栂海新道」の入り口

親不知の駐車場の向かいに「栂海新道」の入り口があった。ここが日本アルプスの突端。日本海に突き出たところでここから白馬岳まで一気に登るルートだ。若かったらここから登って見たいと思ったでしょう。新道を切り開いた方々に敬意を表したい。こつこつと継続すればいろいろとできるものです。

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そして糸魚川市内。

ここは1月に駅前で大火があった。行ってみるとまだ片付けの最中。災難にあった方々にはお気の毒だがはやく再建してほしい。

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相馬御風

あまり良く知っていなかったが早稲田大学等の校歌を作ったりした歌詠み、作家、評論家、俳人。多彩だ。そして良寛の研究者として有名らしい。その方はここ糸魚川出身という事で資料館を訪問。山本五十六の書簡があった。達筆。

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車に積んである水が少なくなったので近くの美山キャンプ場で入手。その近くでヒッチハイカーを乗せた。フランス人男性で金沢に行きたいとか。インター入り口まで送った。

フォッサマグナ博物館

鉱物とか岩石にはあまり興味がなく知識もないがヒッチハイクの男性が行ったと言うので行ってきた。わざわざ来るほどのところなのだと想像していたがその通りで立派でしっかりとした博物館だった。解説がわかりやすい。それでも知識不足で「へ~~」と感心するだけだった。ただ、日本列島の生い立ちだけは理解できてフォッサマグナが何であるかはわかった。これだけでも十分。フォッサマグナであるがゆえにこの辺は多様な岩が存在しヒスイも多く見つかるそうだ。

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塩の道資料館

市内から雨飾山を見ながら15Kmほど山奥に入ったところにある根知谷と言う集落にある資料館。明治になって鉄道、道路が整備されるまでは糸魚川から松本まで塩を人力で運んだ「塩の道」が存在した。200年ほどたつ古い農家を使って当時の道具、衣装などを保存して展示してあった。有志が管理しているようでこの日は品の良い60代の女性が留守番をしていた。一通り中の展示物を見せてもらってから囲炉裏で火にあたりながらお茶をいただいて話を聞かせてもらった。この「塩の道」は松本までの120Kmがまだ残っていて毎年歩くイベントがあるそうだ。機会があれば歩いてみたい。

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猫鼻の湯

糸魚川と小谷村の中間のある姫川の河原にこの温泉がある。ネット上のグループで評判なので行ってみた。一軒だけの掘っ立て小屋みたいな温泉。もちろん源泉かけ流し。この日は濁っていたが姫川の流れと山を見ながらの温泉はいい。地元の数人が茶の間でおしゃべりしていたのでお茶を一杯いただいた。

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夜は近くの道の駅「小谷」泊。この日は休業だったがすでに風呂にも入ったし食料は糸魚川で調達してあるので問題なし。

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