5月14日 遠野

画像の説明

柳田國男。彼に関しては彼は遠野物語の作者であることが唯一の情報だった。今日は資料館を見て回って彼が生涯抱いていた志向に衝撃を受けた。おこがましい限りだが私も同じようなことに興味がある。もちろん、彼の思考の深さとか知識、経験には到底及びもしないが彼のような考え方には強く共感できる。そんな印象深い一日だった。

彼は官僚を早期退職して請われて朝日新聞に入社した。入社の条件は最初の3年間は旅をできること、だそうだ。そして、「常民」と呼んだ普通の人たちの生活を「辺土を歩いて」知ろうとした。こうした人々の生活から歴史の意味を見出そうとしていた。日本民俗学の創始者である。これだ、と我ながら合点した。資料館の中の展示を見て回る中で次は彼の著作だ、と感じた次第。いい出会いでした。帰ったらいろいろと読んでみたい。

画像の説明 画像の説明

勉強した後は自転車で遠野市内見物。大工町と呼ばれる一角はいまでも武家屋敷風の家並みがおしゃれだ。その後はなにげに郊外に導かれ高台にある鍋倉城址に登ってみた。そして五百羅漢に。18世紀にこの地の飢饉で亡くなった民衆の姿に心を痛めて義山和尚が何年もかけてここにある岩に仏様を刻んで供養した、その彫塑である。ゴロゴロした岩の一つ一つに仏が刻まれていた。思いが込めてあるのでしょう。

画像の説明 画像の説明 画像の説明 画像の説明

今日は花巻まで行くつもり。その道すがら南部曲屋として有名な「千葉家」を訪れた。同じような曲屋の豪農の家は横手でも「奈良家」を訪れたことがある。ここは感動的だった。今回はこれとの比較になってしまう。

道路から見上げるとお城のようだ。事実、お殿様など高級武士がここを通るときには石垣にむしろをかけて隠したそうだ。単純な比較からすると「奈良家」のほうが洗練されている。千葉家は粗雑だ。江戸末期に10年かけて作ったと言われているが細部はちょっと粗雑かも知れない。これに10年かけたの?という感じだ。

画像の説明 画像の説明 画像の説明 画像の説明

ということで今日の宿は「道の駅とうわ」。ここには東和温泉が併設されてある。温泉がある道の駅は天国だ。温泉に入ってそのまま飲めるし。
温泉に入って同じく裸の男と話した。露天風呂で会った。京都からきた種苗会社のサラリーマン。農家を回ってこれから花巻空港から伊丹空港にかえるとか。サウナで話したトラック野郎。明日の朝は青森だそうだ。午後の早い時間に温泉に入っている人達はこうした方々だ。定年退職して旅していると言うとだれもが羨む。もちろんだ、これまで頑張ってきたんだ。若い人たちには元気づけている、しっかりと働けよ!

コメント


認証コード7789

コメントは管理者の承認後に表示されます。