金投資の新しい教科書ー池水雄一

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どの本を読むにしても一つでも納得できることがあればそれで満足している。この本でも、あっそうか、という点があった。

この本の著者は所属しているランニングクラブの「監督」と呼ばれているリーダー。30年の間貴金属の取引に関わってきてその世界では有名な方らしい。その方が書いた本のひとつ。

Q&A形式で金に関するさまざまな情報を提供している。金投資の性格、具体的な金の投資方法、金の市場、、、などを素人にわかりやすく解説している。金にまつわる歴史上のエピソードも交えて飽きさせない。

そんな中で納得したのが金の価格が決まる仕組みについて。確かに過去10年間で金の価格は急激に上昇している。10年前は1トロイオンス当たりで400ドル、現在は1600ドル前後。こんな状況で金に投資しても将来的にさらなる上昇は見込めない、いつか急落するのではと危惧して金投資には興味がなかった。ところがこの本の中に、「金の生産には多額の投資が必要である。鉱山から掘り起こして金を得るには現状では最低1トロイオンス当たりで1200ドルは必要になる。したがってこの金額以下には価格は下がらない。製造原価以下になれば生産者は生産を止めるため金の需要と供給のバランスで価格が上がってくる。」とあった。

なるほど、当たり前の経済法則だ。株式投資には最悪の場合は株券が単なる紙切れになるリスクがある。その点、金は現物資産であり価格は一定レベル以下には下がらない。

限られた金融資産の分散投資という意味で金の購入も有りかもしれないと思った次第。

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