人間の性はなぜ奇妙に進化したのかージャレッド・ダイヤモンド

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大作「文明崩壊」そして「銃・病原菌・鉄」の作者として最近注目されている学者の本。「文明崩壊」を読んだときになんと博学な方なんでしょうと思った。その時は歴史学者、文化人類学者、と思っていたが進化生態学者らしい。特に鳥類の進化を専門にしているとか。そんな方の専門外のことであれほどの大著をおこすなんて何ということでしょう、と言うのが最初の印象。

その方がこんどは実に世俗的なテーマの本を書いた。世俗的な人間としては大いに興味を持って買ってみた。もともとの題名は「Why Is Sex Fun?」とこれまた直截的。題名は週刊誌の特集記事みたいだが内容は実にまじめに人間の性の進化、他の動物との相違を説明していた。高校、大学での推薦書としたいがタイトルが問題になるということでこのタイトルを変えたらしい。

人間の性(セックス)の特徴として、1)隠れて行う、2)特別な繁殖時期はなく日常的に生殖活動をしている、3)閉経後でもセックスを継続する、4)通常は一夫一婦、を挙げている。これが基本でなぜこうした特徴を持つようになったかと言うことを進化論的に解説している。

こうした特徴の背景の一つとして人間が生まれてから自立するまでの期間が長くその成長を助けるための体制が必要であることがある。このためにカップルとして育児要員を確保する必要があると説いている。詳細は読んでみて欲しい。

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