休足中の読書

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今週の日曜日17日は新潟県長岡市で行われる56Kmのトレイルレースに参加する。こうした長距離を走る前は体を休めることにしている。今年になって少し長めに(10Km以上)走ると翌日まで疲れが残るような気がしている。少しづつ体力が落ちてきているのを感じている。そういうことで長距離を走る前は数日間だけ休息することにしている。

今回は先週の金曜日に内子町で18Km走ってからは走っていない。自宅で静かに過ごしている。アドバイザの仕事の資料を整理したり、次のくるま旅の下調べをしたり。そして読書。これまでに住宅の建築と観光について2冊読んだ。

高齢化時代の家づくり(兼坂亮一)

最近の関心事はもっぱら自宅の新築だ。区画整理のおかげで来年には新たに家を立てる可能性がいっきに高まった。間取り図を書くとそれを立体的に3Dで表現してくれるソフトがあるので間取りを考えてそれを入力してみたりしている。

現在の家は平成2年にここに建てた。地元の工務店に依頼して在来工法で標準的な日本家屋を建てた次第。以来、冬には寒く、夏には暑い生活を送ってきた。冬の朝に起きると居間のガラス窓が凍結していたりする。夏は各部屋で冷房が必須になる。

そんな中、昨年の冬の寒い日に立川の住宅展示場でウエルダンという会社のモデルハウスを見学したことがある。寒い冬というのに暖房は朝の2時間だけ点けただけで午後になっても予熱で家全体が暖かくなっていた。聞くところによると、夏は各階に1台のエアコンで家全体が涼しくなるそうだ。確かにこのモデルハウスの裏側にはエアコンの室外機が2台しかない。他のモデルハウスの裏には5,6台置いてある。

これはこの会社が考えた土間床工法、蓄熱式ヒートポンプなどを使った高断熱高気密住宅だからだだそうだ。

モデルハウスを見学したあとでこうした工法に関連する本を2,3冊読んでみた。そして今回はそのウエルダンという会社を起こしてこの工法を考えた方が書いた本。中身はこれまでに読んだ内容とほぼ同じで薄かった。この工法の家に興味があるのでそれが正しいと確認したい気持ちで読んでみた。当然ながらこの工法の正当性を訴えている。限られた知識ではそれに反論することもできずただ彼の言うことを信じるしかない。この工法で家を建てたかたのブログを読む限りは現実のようだ。

新・観光立国論(デービッド・アトキンソン)

在日25年のイギリス人が書いた本。一応インバウンドを相手にした仕事をしているので興味を持って読んでみた。彼らが何を求めて来日しているのか、ガイドとしてそれにどう応えるのか、参考になった。

私は陰ながら日本の行末を憂いてる。何しろ人口が減少しているわけで、かなりの生産効率を上げない限り経済も縮小していく。その答えの一つが移民を受けれるということ。しかし日本人には外人を受け入れることに対して抵抗がある。それでは、ということで彼は観光客の誘致を提案している。

この本は2014年頃のデータをもとにして論理を展開している。当時、各国に訪問した観光客の数は、フランス8500万人で1位。中国5500万人で4位。タイ2600万人で10位。韓国1200万人で22位。ところが日本は1000万人で26位。観光収入はアメリカ、スペイン、フランスの順で、タイは8位、韓国17位。日本は21位。ここ数年の日本への旅行者は激増しており2017年に2800万人になっている。それでも上位にはならない。

彼は観光客が多い国の条件として、1)気候、2)自然、3)文化、そして4)食事文化、を挙げている。確かに上位の国にはこうした条件が整っている。そして日本にもこの条件が整っていると主張している。

それではなぜ日本がこれまで上位になれなかったのか。それは日本が外国の旅行者に対してアピールする点が海外の旅行者の求めているのもとずれているのではないかということらしい。

これまで日本は、オリンピック誘致のときに主張し、少なくとも日本では評判になった「もてなし」を全面にだしてきた。そして気配り、マナー、サービス、安全。こうした点を強調して海外からの観光客を誘致しようとしている。しかしこうした点は海外から人を呼び込むには力不足だと言っている。海外からはこうしたもてなしとか良いマナーの国だからと言う理由でそれを求めて来るわけではない。こうした点はあると良い、あると助けになるがそれが主目的にはならない。と言うことらしい。ここまで読んでかつて勉強したハーズバークの「動機づけ理論」を思い出した。かれは動機づけするのにあって当然だが無いと不満に思う「衛生要因」で動機づけられるわけではない。仕事の達成感とか責任などからくる満足感が強い動機付けになる、と言っている。これを踏まえて考えると「もてなし」「気配り」などは衛生要因に当たるのかも知れない。本来の動機は著者が主張する1)気候、2)自然、3)文化、そして4)食事文化、が動機づけ要因になるのかもしれない。

こうした主張とともに日本がこれから対処すべき方法をいろいろと述べている。それぞれがうなずける点だ。こうして外国人からの指摘は真摯に受け止めるべきでしょう。

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