5月21日 永泉寺(えいせんじ)

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道の駅の案内板に小さく出ていた永泉寺の写真。苔むした石の参道の写真に魅入られてすぐに出かけた。そこはまさに時が止まったような実に神秘的な場所だった。

秋田県遊佐町からおよそ10Kmほど田園地帯を走って山の麓にある。どんよりと曇って冷たい風が強い日の午後だった。狭い場所に車を停めて寺の前にいくと樹齢700年と言われる大杉が二本。その間にあの写真にあった苔むした、石で組んだ階段がつづいている。その先に朱色の山門が見える。
この時点で次のシーンを考えて興奮しながら足早に石の階段を登った。

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20mほどで山門になる。ここには仁王堂がありその天井には鮮やかな絵がかかれている。
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そして、山門をくぐると立派な本堂。ところがその前の庭には多くの草が生えたまま。池にかかる石橋も苔むしている。一体この庭は手入れをしているのだろうか。これまでに見た多くの寺は丁寧に掃き清められて草はもちろんない。

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庭はシーンと静まり返っている。本堂を覗いてみた。中に人の気配はない。仏業をしている様子もない。一体この寺には住職がいるのだろうか。大きな母屋をみると一見して人が住んでいるようにも見えるが人気はない。

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何故か通常対になっている狛犬もここは一つだけ。
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左手には禅の道場がある。この建物も立派だが近年使われている様子はない。

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寺の裏手に墓があるようなので行ってみた。曇り空の遅い午後、薄暗い中で見たのはまさに時間が長い間止まったかのような墓。檀家の墓でしょうが中には不思議な像もある。

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さらに奥まで狭い山道を登ってみた。大きな杉に囲まれて薄暗い中、一人でいるのが怖いような不気味いさを感じる。と、そこにまた石柱が並んでいた。清水が流れ出ている岩壁の上にも幾つかある。あらに方向を向いているのもある。暗くてよく見えないがここも静まり返っていた。

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石で作られたく九重層塔は高さ3m近くある。この地の最上家の家臣で東禅寺の城主志村伊豆守光安の供養塔であることはわかっているそうだ。1611年創建。

後でネットでいろいろと調べてみるとこの寺は7世紀に開かれた全道場が起源になっているようだ。その後、一時衰退したが14世紀に再興されているとか。

それにしてもこの寺は現在だれが管理しているのか知りたいところだ。庭、建物の様子をみるにつけ適度に管理されているようにも見えるし放棄されているようにも見える。裏にある墓も同様だ。手入れがしてあるようで無いような。

不思議な出会いだったがいい寺だ。きれいになりすぎて観光地となっている寺が多い中こうした自然体の姿が気に入った。

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