日本の歴史

2015-04-15 17

久々の読書もの。井上清による「日本の歴史」。1965年の出版の岩波新書です。中古で買ったので上中下3冊がいずれも1円。

縄文時代から戦後までを通して学んだのは人生で初めてだ。義務教育中には日本史の授業はもちろんあったが近代の解説の時期になると時間がなくなって説明は飛ばされていた。社会にでてからは歴史物は時々読んできたが特定のテーマ、特定の時代を扱った本が主体。こうして一気通貫で日本の歴史を読んだのは初めて。

この歳になってようやく現代まで歴史の流れがつながりました。

歴史は史実を伝えると同時にその史実の裏側、つまりなぜそうした状況になったのかという点を伝えるのが重要だと思う。この本は多少なりともそうした点も書かれている。ただし、こうした裏側は歴史家の判断、考え方になる訳で歴史家によって異なる。

この本の作者、井上清氏、は共産主義と思えるような書き方をしている。特に近代史の解説についてはそうした印象を受ける。Wikipediaを見ると確かにこの方はマルクス主義者のようだ。しかも、あの尖閣諸島は中国のものであるという趣旨の論文を書いたらしい。

日本の歴史を通して読んでみて感じたこと。

1.何時の時代でも歴史に残る文化、創造物はすばらしい。しかしながらその裏には常にそうした高度な文化、創造物を作り出すために大多数の虐げられた人達がいるということ。これは現在でもあまり変わっていないかもしれない。

2.幕末から明治時代の日本の変化、進歩は目をみはる早さだ。この時代をささえた日本のリーダーに改めて敬意を示したい。

3.現在でも韓国、中国は日本に対して先の戦争責任について歴史認識を明確にするように要求している。反日感情は残っている。こうした状況は明治以降の日本の軍事活動の状況を知るにつけなんとなく理解できるような気がする。ただしこうした認識はマルクス主義者である井上清氏の書き方に影響されているかもしれない。

コメント


認証コード1108

コメントは管理者の承認後に表示されます。