天草
宿泊地のRVパークsmart 道の駅きくすいをまだ真っ暗な早朝5時頃に種発。車のヘッドライトが当たっているところだけを凝視しながら慎重に天草を目指してドライブ。7時ころになってようやく周囲が確認できるようになった。その頃に着いた道の駅 宇土おこしき館で海を見ながら朝食。
さらに南に下ると青い海と小島がキレイに見えてきた。長崎の九十九島と同じだ。そこに千巌山展望台があったので駐車場から10分ほど登って眺めた。天気は良いが風が強い日だった。島々を結ぶ橋が美しい。
天草にある世界遺産関連の施設を3箇所訪問。まずは天草コレジヨ館。天草から16世紀半ばに初めて日本人としてヨーロッパに送られた4人の少年の紹介。コレジヨとは当時の大学のこと。ここにあった。4人は苦労してヨーロッパに行き8年後に立派に成長して帰国。さまざまな機械、書物を持ち帰った。活版印刷機、各種の楽器、、、、。楽器は秀吉の前で演奏して喝采を浴びたらしい。
そしてカトリック﨑津教会。崎津の集落は自転車で回った。天気が良く心地よい風が吹いて楽しいサイクリングだった。
集落に行ってこの教会を見学。明治になって石造りで建築を始めたが途中から木造に変わった。崎津集落は現在人口350人。内100人がクリスチャンとか。近くには諏訪神社があるがこれは潜伏キリシタンとしてカモフラージュの神社。集落の家々には隠し部屋があったり柱の中にマリア像を隠したりしていたそうだ。役人にはわからないオラショという呪文をとなえて神に祈っていた。
そしてカトリック大江教会。まずは天草ロザリオ館で資料、ビデオをてから教会まで10分ほど歩いた。青空に真っ白な教会は映える。
その後は下天草の西の海岸に沿ってドライブ。どこも風光明媚だ。
途中にあった富岡城跡に立ち寄り。天草の乱のときは幕府側として一揆軍に責められたが落城はしなかった。見晴らしのいい城だ。
夕方になって天草市に到着。この日はゲストハウス泊。このゲストハウスは単に部屋を貸すだけでオーナーとはなんの交わりがなかった。他の宿泊者が一人いたようだが朝になって気がついただけ。素泊まりのみで3800円。和室で各部屋にトイレとシャワーがあるのが助かる。今回の旅行は初めての宿だ。
天草は天気のせいもあるが2つの教会、集落をみることができて大満足だ。これで「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」のかなりの部分を訪れることができた。
今回の旅のなかで色々なところで掲示されている資料とかビデオを見て勉強してきた。ザビエルが日本にキリスト教を持ち込んでから江戸期の禁教が解禁される明治初頭までに各地で起きたイベントが少しだけつながって線になった。面になるにはまだまだ。
潜伏キリシタンとして耐え忍んできた生活の具体例は今日も柱の中に隠したマリア様の像とか祈りを行う隠し部屋、役人には理解できないオラショと言う祈りの言葉とか、、、で理解できた。こうしてまでも信仰を守ろうとした意思はどこから来ているのか興味がある。
世界遺産に登録されたのはこうした精神性が重要な役割をになっているんでしょう。対象となっている教会の建築そのものは近代のものであり西洋の教会とは比較にならないですから。
それと景観。世界遺産の評価の対象となった集落の景観は日本ならではのものでしょう。いつ噴火するかわからない火山の上に乗っている日本独特の景観と日本人ならではの精緻に作られた耕作地と集落を見せている。
と言うことで3週間余りのくるま旅は今日でおしまい。
今後のことに決断できたので気が楽になって夜は近くの居酒屋かし原でビールと日本酒。