燕岳
燕岳に行ってきた。かつての同僚である高本氏とその友達沼田氏と3人で行く予定だったが高本氏は病気になり沼田氏と2人ででかけた。
前日8月2日はとにかく体を休めるために車の中で過ごした。暑いので車で少しでも涼しい標高の高いところまで登って木陰のある空き地に駐車して過ごした。夕方になって下の山のたこ平で入浴。松岡氏の別荘に集まっていたころはいつもここに来ていた。懐かしい。
入浴後は中房温泉行きのバスが停まる有明山神社の駐車場で車中泊。ここは標高700m位なので昼間は暑い。エンジンを掛けて冷房しながら夜まで過ごした。
当日は神社前6:52発のバスで中房温泉。沼田氏とはすぐに会えた。60代男性、登山歴は少ないがランニングをしているとのこと。
7:40中房温泉出発。大勢の登山者が列をなして登っていく。この日も快晴。樹林帯の中を玉の汗をかきながら登った。
10:30合戦小屋。最近はここのスイカが名物らしい。ここでアウトドア系の雑誌のグラビアに登場しそうな若いカップルがいた。あまりにも彼女が可愛いので写真を撮らせてもらった。
このルートは危険なところはほとんどない。そのせいかアルプスの入門コースでもある。老若男女、インバウンド、子供、と多彩な人たちが登っている。観光地化している。
10時を過ぎると下からガスが少しづつ登ってきた。ガスとの競争だ。途中で追い越されたのか花もガスの中になった。
11時半ころに稜線に到着。約4時間。到着すると目の前にアルプスの山々がドカンと待ち構えていた。この景色を見たいがためにここまで来たのだ。しばし呆然と眺めていた。すぐにガスがかかってきて遠くの山々が隠れるようになった。ガスとほぼ同時に到着したようだ。
チャックインしてから山荘の前の広場にあるベンチに行くと若者が生ビールを飲んでいた。彼と一緒に腰掛けて遠くの山々を眺めながらビール。なんとも贅沢な時間だ。彼は山の初心者でいろいろと山の話をした。一時間以上話をしたようだ。いい時間だった。
ビールを飲んでいる間に同行の彼は一人で燕岳を目指して歩いた。ところがここでころんだようで脚に怪我をしたそうだ。幸いここには帝京大学の診療所があるのでそこで手当をしてもらったらしい。大怪我ではないが2針縫ったとか。
この山荘は設備が整っていていわゆる一般的な山小屋とは一線を画しているようだ。水道、きれいな食堂、乾燥室、談話室などの設備がある。水は数100mの下から汲み上げているらしい。
夕方の食事は4回に分かれて摂る。一回に約100人。食事はそれなり。ビールも飲める。運営は実にスムースで問題ない。
この食事中に山荘の主人が30分ほどプレゼンをして山荘の周囲の景色、自然保護、登山の心得、登山の楽しみ、などを説明してくれた。実にいい話だった。このプレゼンの中の、
・魂の感動は心身ともに即座に蘇生してくれる
・山登りはプラス発想と行動の重要性を教えてくれる
・心が豊かになりストレスがとれる
・魂が感動すると荷物の重さも忘れ達成感、笑顔、感謝等のプラス発想になり、知らない人と会話することになる
との話もあった。最後の「知らない人と会話することになる」には大いに同感。山荘の前にあるベンチに座って豪快な自然の姿に圧倒され、感動するとその感動を共有した人たちとの会話が自然と発生している。ベンチでビールを飲みながら周りの方々との会話がはずんだ。カメラ女子からはすてきなタイムラプスの動画をいただいた。
ここの主人はアルペンホルンを演奏することでも有名。この日も演奏してくれた。
夜は狭い二段ベット上の寝床で就寝。狭いがテントよりは快適。標高2700mのここはやはり空気が薄いようだ。寝てからしばらくは呼吸が苦しくなり数分ごとに深呼吸するような状態だった。
翌朝は日の出を待った。東側の雲海の上から光が差し込んで反対側の山が照らされた。なんとも贅沢な景色だ。山小屋に泊まらないと見ることができない景色だ。
朝食を摂ってから二人で燕岳を目指して1km歩いた。快晴、ガスはない。360度の絶景だ。こんな風景を見ることができてなんとも幸せだ。何回も何回も繰り返して眺めた。次にこんな景色を見ることができるのだろうか、と思ったりした。
燕岳から戻って燕山荘から7:10に下山開始。下りにかかると山々はすぐに消えてしまう。大汗をかきながらひたすら下るが登る人たちとのすれ違いで頻繁に渋滞。
10:00に゙中房温泉二到着。3時間弱。
沼田氏は近くの有明荘で汗を流すということで分かれた。私は10:45のバスで有明け神社駐車場に戻った。いい2日間だった。
駐車場からしゃくなげの湯に行って汗を流しランチ。すぐに数年前に亡くなった石渡氏の墓に墓参。
当初は美ヶ原の駐車場で車中泊の予定だったが明るいうちに帰宅できる時間なので信越道、関越道経由で帰宅。6時前に着いた。