トロッコ列車で欅平へ

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9時発のトロッコ列車に乗って欅平を目指した。この季節はほとんどの列車は窓付きになっているが窓なしのいわゆるトロッコも少しだけ運行している。
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乗客は一車両に数人だけ。走ると車輪がレールにこすれる音が懐かしく感じる。左右に揺れる。宇奈月湖、そして黒部川を見下ろしながらゆっくりと進む。遊園地のおとぎ電車だ。
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欅平までの間に駅が9つある。観光客が乗降できるのは3箇所だけで後は沿線の施設の運用要員や建設作業員専用だ。途中には新たな施設の建設も行われている。
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トロッコ列車は狭く急峻な斜面を削って敷かれたレールの上を進む。途中には稼働中の発電所が数箇所。こうして施設で使うすべての資材、要員がこのトロッコ列車で運搬された。大型のトラックも稼働しているがこれも分解して運び込み現地で組み立てるそうだ。

この黒部峡谷の開発は大正初期に始まったそうだ。まず宇奈月温泉を開発、そしてレールを欅平まで敷設。こうして発電所を建設し富山地方の工場で使う電力を供給したそうだ。大正から昭和までの長い間に少しずつ開発し現在に至っている。そして現在でも多くの作業員が施設の運用、保守に携わっており冬の間も交代で運用している。昨日見たトンネルが途中にあった。
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谷間を縫うように走る列車に乗ってのんきに景色を眺めているがここにいたるまでの苦労は想像もできないくらいだったことだろう。12月から翌年5月くらいまでは雪に閉ざされる世界。急峻な山の斜面。そこを流れる黒部川の豊富な水を利用することで電気を起こし工業の発展を計画した先人に頭が下がる。激流が流れる谷を調査しそこにレールを通すという発想をしたことが素晴らしい。数年前に青森の龍飛崎に立ち寒風が吹きすさぶ津軽海峡に対峙したときにここにトンネルを掘るという発想をしたことに驚いたがそれと同じ感動を覚えた。
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欅平駅についてビジターセンターに行くとほとんどの通路は通行禁止になっていることを知った。欅平は駅があるだけでその他の観光施設はない。狭い通路を歩いて行くと小さな温泉があるがすべてが営業停止になっていた。特に祖母谷温泉に行きたいと思っていた。営業は終了していることは知っていたがその場まで行ってそとから見たいと思っていたがそれも叶わなかった。結局欅平の駅から500m程度しか行動できなかった。
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すべての施設が冬支度で通路の脇にある安全柵も取り外されていた。そのままにすると雪の重みで被害を受けるのかもしれない。

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欅平から戻るころにはそれまでの青空が消えて小雨模様になって寒くなった。宇奈月温泉に着いてすぐに「やまびこ橋」を通過する列車の写真を撮るために急いだ。雨も降って少しだけ濡れたが希望する写真を取れて満足。大満足の一日だった。
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黒部の開発に貢献した先人。
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